みなさんが病気になったときに思い浮かべるの対処はどんな事でしょう?
お医者様にかかることを考えたり、薬を飲むことや、栄養のつく食べ物を摂ったりすることなどを考えたりするのではないでしょうか?
もちろん、病気になったときにはそれらの対処が必要になりますが、ここではこれからの現代社会に生きる我々にとって本当に必要なことを考えていきたいと思います。
現代社会は、食べ物には困らない飽食の文化と言われています。
つまり、食べたり、飲んだり、体の中に何かを入れることにはこと欠かない時代です。
ですから、食べ物などを入れることよりもむしろ体の中の悪いものを体の外に出すこと、つまりデトックスすることのほうが大切なのではないかと思うのです。
健康を方程式で考えてみると
IN ― OUT = 残 という風に表現できます。
生きていくために必要な栄養など体の外から入ってくるものが「IN」で、
エネルギーの消費や、老廃物などを排泄することなど体から出て行くもの、外に出すものが「OUT」です。
そして「残」が私たちの体であるわけです。
その「残」の状態で、私たちの体の健康状態が決まるわけです。
INが多すぎたり、OUTが不十分であると、メタボリックシンドロームのように余分なものが多い「残」、体になるというわけです。
特に現代人にはこの傾向が強いのではないかと思うのです。
さて、それでは昔の人たちはどうだったのでしょう?
人類の長い歴史を振り返ってみようと思います。
色々な説があるのですが…
人類の祖先と呼ばれ、大きな脳を持ち、二足歩行できるようになった霊長類が誕生したのは約600万年前だと言われています。そしてアフリカで人類が誕生したのは、およそ400万年前と言われています。
これを人類の歴史だと考えると、注目すべきはその長い歴史のそのほとんどが"飢え"と戦う歴史であったのです。
つまり、食べ物がない、食べれない、食べ物を探さなくては、という歴史だったのです。
私たち人類が、食べ物に困らなくなったのはほんの200年くらい前からだそうです。
600万年、つまり6,000,000年と比べると、200年は、ほんのわずかな割合に過ぎません。
人類は長い長い期間、食べれない飢餓の状態をすごしてきたのです。
健康を方程式 IN ― OUT = 残 で例えるとすると、人類の長い歴史においてはそのほとんどが、食べ物であるINが少なく、エネルギー消費のOUTばかりが過剰になり、残、つまり体を維持できなくなることが多かったわけなのです。
ですから"今食べても今度はいつ食べることができるかわからない"という厳しい環境を生き抜くために、我々人間の体は、わずかなカロリーを効率よく生きる力に変えるような働きや、体内で脂肪分に変えたりして蓄える能力を身につけていったのです。
そして、食べ物に困る状態になったときには、脂肪として蓄えたエネルギーを使って生き残ってきたのです。
つまり、健康方程式 IN ― OUT = 残 で言うと
INとして体内に入れたものは、なるべく減らないように、蓄えるようにという体の働きになっていったわけです。
そして、その体の働きは、私たち現代人にも受け継がれているというわけです。
甘いものや油物など、太りやすくカロリーの高い食べ物ほど美味しく感じてしまいますよね。それもこういう人類の長い歴史の中で獲得してきた体の働きが元になっていると言えます。
つまり、私たち人類の体は基本的に、飢餓に絶えるための働きが強く残っているわけです。
逆に言いますと、食べ過ぎ飲みすぎといったような、飽食に耐える働きはあまり備わっていないのです。
例えば、体の中でエネルギーに変わりやすい栄養素の代表選手は炭水化物などの糖質ですが、私たちの体の中に糖分を蓄えようとする体の働きは沢山あるのです。
体内で血糖値を上昇させるのは副腎皮質ホルモンや、エピネフリン、グルカゴなどのホルモンの働きがあります。また肝臓にも大量に蓄えた脂肪を糖に変える働きがあります。
それに対して、
私たちの体の中で取りすぎてしまった糖分を下げる働きをもつホルモンはたったの一種類、インスリンだけなのです。
私たちの体が、いかにエネルギーを溜め込んだり蓄積したりする働きになっているかがわかりますよね。
人間は、本来、飢餓よりも食べ過ぎに弱い生き物なのです。
健康方程式 IN ― OUT = 残 で例えると
残をなるべく多く残すために、OUTの働きが弱いということなのです。
ですから、私たち飽食の現代人にとって必要なのは、
体の中に入れること・なにかを食べたり飲んだりすることではなく、悪いものを
出すこと・デトックスすることがとっても大切なのです。
さらに、現代社会を考えてみますと、私たちの環境には毒素が沢山あります。
私たちが普段食べるものにも食品添加物が沢山入っています。
野菜や穀物などは農薬を沢山使用して作られます。
食べ物こそデトックスを意識すべきだと思います。
そして、現代人は薬漬けだと言う方もいらっしゃいますが、ちょっとした症状にも化学薬品などを飲む人が増えています。
さらに、光化学スモッグやダイオキシン、環境ホルモン、PM2.5など大気にも毒素が沢山含まれています。
私たちは毒素に囲まれて生活していると言っても過言ではありません。
そのことだけを考えてもデトックスがとても大切だということがわかります。
これから時代は、IN < OUT つまり、入れること < 出す事 が大切だと私たちは考えます。
そしてデトックスを得意とするのが漢方薬なのです。
漢方薬はそもそも治療をするときには解毒の働きを利用することが多いのです。
デトックスこそ漢方薬の出番なのです。巷でも、足裏デトックスやデトックス茶などを見かけますよね。足裏デトックスやデトックス茶なども、漢方薬とデトックスの考え方を応用したものなのです。
東洋医学では、体の中にたまった悪いものをデトックスしてくれる漢方薬のことを、「瀉剤(しゃざい)」と表現します。
瀉剤には、腸に働いて便としてデトックスする漢方薬の下剤や、体内の不要な水分とともに尿に出す漢方薬の利水剤や、汗として皮膚の表面からデトックスする漢方薬の発表剤などがあります。
お腹が痛いときに便が出るとすっきりしたり、尿がすっきりでたらむくみが減ったり、スポーツで汗をかいたら気分が爽快になったりするのも、漢方薬のデトックスの原理と同じなのです。
体の健康な状態を保つために、心も体もデトックスしてすっきりするために、
入れること < 出す事
IN < OUT
このことを私たちは多くの方々に漢方薬で提案していこうと思います。
健康である状態と病気の状態との間には、"病気にはなっていないが健康ではない状態""病気ではないが、病気に向かっている状態"などの微妙な状態がありますが、このような状態を東洋医学では未病と表現しています。
慢性病とは、文字通り"慢性の経過をたどる病気"のことです。つまり長く続く病気であるという意味です。慢性病患者とよばれる方々、高血圧などの生活習慣病患者は年々増加傾向にあると言われています。
現代社会は、食べ物には困らない飽食の文化と言われています。つまり、食べたり、飲んだり、体の中に何かを入れることにはこと欠かない時代です。ですから、食べ物などを入れることよりもむしろ体の中の悪いものを体の外に出すことがデトックスであり、大切になっています。
体臭とは、尿や便などの排泄物や汗などの分泌物などが原因となり、体から発せられる臭いのことを言います。 そして、体臭にはものすごく個人差があります。年齢差、性差、国籍差なども関係します。
加齢臭の原因は「ノネナール」という物質です。人間は中高年になると、皮脂の中に含まれる脂分の性質が変化してくるのです。脂肪酸の一種である、9―ヘキサデン 酸が増えて酸化が進みやすい状態になり「ノネナール」が増加してしまうのです。
「冷えは万病のもと」と言われていますが、東洋医学の世界においては「冷え」は病気の原因として重要な要素として捉えいます。東洋医学においては、この冷えの症状を重要視し、冷えへの対応を得意としてきた歴史があります。