みなさまは「未病(みびょう)」という言葉をお聞きになったことがありますか?
未病という言葉の解釈は諸説あるのですが、
未病とは、古くから東洋医学にある中国の言葉で「未だ病にならざる」つまり、病気の一歩手前、病気になる前の状態のことが未病の意味です。
健康である状態と病気の状態との間には、"病気にはなっていないが健康ではない状態""病気ではないが、病気に向かっている状態"などの微妙な状態がありますが、このような状態を東洋医学では未病と表現しています。
そして、東洋医学、漢方医学が最も得意とするのが、病気になる前の治療なのです。つまり漢方は未病にきくのです。
私たちは、これからは未病を治す、あるいは、身病を防ぐ時代であると考えています。
みなさまにはこのような症状がありませんか?
はっきりと病気の症状や検査値の異常などがみられないけれど、どこか具合が悪い、
すっきりとしない、体がだるい、体が重い、夜ぐっすり眠れない、あるいは寝ても疲れがとれない、肩こりがある、体が冷える、生理痛が激しい、食欲がない、ご飯を食べても美味しくない、体がむくむ、めまいを感じる など
これらの症状は体のサインであることが多いのです。
こういう症状を感じる方は、すでに未病の状態であると言えます。
火事を思いうかべてみてください。
ボヤの時は、少しの水で火を消す事ができます。
少々ひどくなっても家庭用の消化器で消せますよね。
そして、被害も最小限で済みます。
ところが、大火事になってしまうと大変です。
消防車が出てきて大量の水を噴射しないと火を消せません。
建物の中もスプリンクラーが作動して建物全体が水浸しです。
ひどいときは近隣に燃え移らないように建物を壊すことだってあります。
火を消し止めたとしても、その家はもうぼろぼろの状態ですよね。
ボヤの火事は未病の状態、そして大火事の状態が病気というわけです。
できれば、ボヤのうちに火を消し止めることがとっても大切なのです。
ボヤの内に消し止めるのに適しているのが漢方薬です。
漢方薬は天然の生薬を使っていますので、穏やかな作用で、副作用などのリスクが少ないのです。
一方、大きな火事を消しとめる場合は、強い化学薬品を使わざるをえない状況になってしまいます。
効果も早く強く出るのですが、そのかわり副作用などのリスクが大きくなるというわけです。
これらの未病に対する考え方は、太古の大昔から東洋医学の世界では私たちに教えてくれています。
世界で最も古いと言われている生薬についてまとめられた文献で漢方の古典「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」には、漢方を上薬、中薬、下薬の3つのグループに分けています。
つまり、どのような薬が上にあたり、どのような薬が下にあたるかランク付けをして分類しているわけです。
上薬(じょうやく):その人が本来もつ自然治癒力を高め病気を防ぐもの
中薬(ちゅうやく):体力を補い、病気の予防や改善の効果があるもの
下薬(げやく):症状に対して効果が強いが、副作用の危険性もあるもの
東洋医学においては、その場しのぎではなく、その人が元来もっている病気を治す力で、病気を未然に防ぐものが最もよいことであるということを教えているのです。
そして、この考え方は医療費が高騰している現代社会にもとても適しています。
現代社会においては少子高齢化が進み、治療や医薬品など医療にかかる費用が年々増加をしています。ですから特別な病気をのぞき、生活習慣などが原因で起こる病気にかかる費用は減らしていくことが必要な世の中です。
そもそも誰だって、病気にはなりたくないですよね。
さて、未病にも初期の段階と後期の段階があります。
まず初期の段階は、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足など生活習慣の乱れた状態です。
この段階は、特に体に異変を感じることがないのでそのまま見逃してしまうことが多いのです。
ただ、この段階を過ぎてしまうと病気の一歩手前の段階に進んでしまいます。
この初期の段階で生活習慣を見直すことが第一です。
東洋医学の世界では、この考え方を養生と言います。
養生が第一であることをまずご説明しておきます。
未病が後期になってくると、体に異常を感じたり、具合が悪い症状が出てきます。血圧が高くなったり、血糖値が高くなったり、コレステロールが高くなったり、検査値にも影響がでてくると、メタボリックシンドロームなどを引き起こし、病気へと一気に進行してしまいます。
漢方医学では、未病の段階で体質から治すことを大切に考えています。
この未病後期が疑われる方は、すこしでも早い段階から養生にあわせて漢方治療をされることをおすすめします。
今こそ、温故知新の時なのではないでしょうか?
私たちは、第一に養生、そして、その人が本来もつ自然治癒力を高めるような天然薬や漢方薬をおすすめすることを通じて病気を未然に防ぐ、未病を治す提案をし続けていきたいと思います。
健康である状態と病気の状態との間には、"病気にはなっていないが健康ではない状態""病気ではないが、病気に向かっている状態"などの微妙な状態がありますが、このような状態を東洋医学では未病と表現しています。
慢性病とは、文字通り"慢性の経過をたどる病気"のことです。つまり長く続く病気であるという意味です。慢性病患者とよばれる方々、高血圧などの生活習慣病患者は年々増加傾向にあると言われています。
現代社会は、食べ物には困らない飽食の文化と言われています。つまり、食べたり、飲んだり、体の中に何かを入れることにはこと欠かない時代です。ですから、食べ物などを入れることよりもむしろ体の中の悪いものを体の外に出すことがデトックスであり、大切になっています。
体臭とは、尿や便などの排泄物や汗などの分泌物などが原因となり、体から発せられる臭いのことを言います。 そして、体臭にはものすごく個人差があります。年齢差、性差、国籍差なども関係します。
加齢臭の原因は「ノネナール」という物質です。人間は中高年になると、皮脂の中に含まれる脂分の性質が変化してくるのです。脂肪酸の一種である、9―ヘキサデン 酸が増えて酸化が進みやすい状態になり「ノネナール」が増加してしまうのです。
「冷えは万病のもと」と言われていますが、東洋医学の世界においては「冷え」は病気の原因として重要な要素として捉えいます。東洋医学においては、この冷えの症状を重要視し、冷えへの対応を得意としてきた歴史があります。